個人事業主&法人のための不動産担保ローンガイドin福岡

福岡の個人事業・法人経営者のための不動産担保ローン利用の手引

リスクを考える

ここでは、不動産担保融資のリスクについてまとめています。

不動産担保融資の一般的なデメリット

不動産担保融資に限らず、金融会社から資金を借り入れることには、少なからずリスクも存在します。

個人事業や小規模な法人では、社会全体の経済の変動から大きな影響を受けることもあるので、どのようなリスクが存在するのかをあらかじめ知った上で融資を利用することが大切です。

諸費用が高い

不動産担保融資に必要な費用は、事務手数料・物件調査料・印紙代・登記費用などです。このうち事務手数料と物件調査料は融資を実行する金融会社に支払うもので、おおよその金額は次のようになります。

  • 事務手数料…借入金額の1%〜5%くらいで、会社によって異なります。
  • 物件調査料…1件に付き10万円程度。

物件調査料が事務手数料に含まれていることもあります。また事務手数料は会社によって1%〜5%と幅が広いので、借入金額が高額になるとかなりの差が付くことになります。

たとえば、3,000万円借りた場合に事務手数料が1%なら30万円ですが、5%の会社では150万円になってしまいます。

金銭消費貸借契約書に貼る印紙は、借入金額が1,000万円から5,000万円の場合は2万円、5,000万円から1億円の場合で6万円です。

抵当権設定のための登記費用は1,000万円の場合4万円ですが、謄本の取得費用や司法書士費用と合わせておおむね10万円程度と考えて良いでしょう。

債務不履行の時は担保処分

不動産を担保にする借入れなので、借入金の返済ができなくなった場合は担保に入れた不動産を手放さなければならなくなります。融資を行った会社は担保不動産を売却して、売却金額を返済に充当します。

売却の方法には借り入れた本人が自分で売却する任意売却と、金融会社が強制的に売却する競売があります。どちらにしても不動産は失うことになるので、自宅を担保に入れている場合は今後の生活の場を探さなければなりません。

不動産登記簿に借入れが記入される

不動産を担保に借入れを行うと、登記簿謄本に抵当権または根抵当権の設定が記載されます。登記簿謄本の閲覧は誰でも行うことができるため、第3者に借入れの事実を知られてしまう恐れがあるのです。

一般的には、登記簿謄本の閲覧は行われないので特に気にする必要はありませんが、何度も重ねて借入れを行っていると登記簿謄本の記載が増えて印象が悪くなります。

不動産の評価が下落

不動産担保融資を行う金融会社・金融機関は、通常1年に1回程度不動産価値の再評価を行っています。

景気の変動などによって不動産価格が暴落した場合や、地震などで地盤が液状化したり土壌が汚染された場合、地域で殺人事件や自殺があった場合にも不動産の担保価値が下落することがあります。

その結果として、不動産の担保評価額が融資当初の評価額を大きく下回ってしまうと、金融会社から一方的に評価額の差額を埋めるための追加担保を要求されることがあります

抵当権設定契約書の条項には、追加担保について金融会社の判断で提供を要求できるという記載があるため、中にはこの条項を楯に強引な回収を図ってくるところもあります。

このような場合、借り入れている個人事業主や法人代表者はどのように対応すれば良いのでしょうか。

担保評価額が下落したときの対応

金融会社から一方的に追加担保を要求された場合は、気持ちを強く持って断ることが大切です。同様に現金で差額分の入金を要求された場合も、断るのが最も有効です。

不動産の価値が下がったのは借り入れた個人事業主・法人代表者の責任ではありません。担保価値の下落を予測できなかったのは借り入れた側も、貸した側も同じです。

貸金業者の中には、追加の連帯保証人を出させたり、親兄弟など親族の不動産まで担保に出させようと強引な要求をするところもありますが、毅然とした態度で断らないと被害を拡大してしまうことにもなりかねません。

仮に返済が遅れているなどの事実があっても気弱にならずに、不安な場合は弁護士会や貸金業界に相談してアドバイスを受けてください。

金融会社選びがリスク回避のカギ

担保評価額が下落したときなどに、強引に追加担保や追加の連帯保証人提供を迫ってくるのは、格付けが落ちて信用力が下落した顧客から融資金を回収したいという金融会社の自分勝手な思惑によるものです。

契約書に追加担保の提供を要求できるという記載があっても、良心的な金融会社は決して強引には要求してこないものです。

事業経営者という部分では、個人事業主や法人経営者と金融会社は同じ立場です。金融会社が置かれた立場の説明や担保価値が下がった理由など、丁寧な説明を聞いているうちに、金融会社の言い分が「もっとも」と思えることもあるでしょう。

場合によっては良いチャンスと捉えて、追加担保を出す代わりに金利の引き下げや返済条件の緩和、追加資金の借入などを交渉してみるのも、事業経営者として正しい選択と言えるかも知れません。

良質なサービス提供を心がけている金融会社なら、追加担保の相談を心苦しく思っている部分があるでしょうから、交渉を好意的に受け止めてくれる可能性があります。

降りかかるリスクを逆にチャンスに変えることを可能にするためにも、不動産担保融資の金融会社選びは慎重に行いたいものです。